日本に住んで良かった……と思うことは非常に少ない。ただ、ものが盗まれないのは良い点だ。防犯が気楽である。
鍵さしっぱなし案件
今日は喫茶店で過ごしていた。まったり読書をすること4時間あまり、そこから出るとTWくんのウィンカーがついている。
ああ、鍵挿しっぱなしだったのね。
それでおしまい。盗まれることより、なんとなくウィンカーが4時間点滅していることが恥ずかしいことと、バッテリーが心配である。
大学にいたときも、鍵を挿しっぱなしの原付きは何台かみた。よほど盗ってやろうかと思ったが、別に何台も持っていてもしょうがないのでやめた。たぶん高校生だったらパクっていただろう。
原付きは10万円くらいするし、一般的なバイクなら30万円はするだろう。そんなものがいつでも持っていけるとなれば普通の感覚なら盗む。いやいや、そんなのは一部の極悪非道なやつだけだ……とは日本人の特殊な感覚で、諸外国ではそれは「盗まれて当然」でしかない。
日本では鍵を挿しっぱなしにしても盗まれない。少なくとも、いまのところ。
盗まれるときはどうやっても盗まれる
というか、鍵を抜いていようが、ごついロックを付けていようが、盗まれるときは盗まれる。それが現実である。
治安の悪さを感じるのはイギリスやフランス。たぶん移民の窃盗団がいるのだろうが、Youtubeにある防犯カメラの映像を見ていると、チェーンロックはディスクグラインダーで30秒ほどで切ってしまう。ハンドルロックはガツン! とやるだけで解除。いったいどうなっているのかわからない。
さて、ハンドルが自由になり、ホイールもフリーになったならこちらのものだ。ギアをニュートラルに入れてまたがり、別のバイクに乗ってきた共犯者が横後ろから足でバイクを押し、逃げてしまう。
別の例ではフロントタイヤをキャスターつきの台に載せてしまうとか、そもそもロックのついたまま複数人でトラックに乗せてしまうこともある。(「地球ロック」が重要と言われる所以である)
窃盗の手際は実に鮮やかで、スリリングでもある。ときに持ち主がやってくるときがある。持ち主がなにをしている! やめろ! と叫んでも、かまわずグラインダーを当て続ける。窃盗団はグラインダーをつきつけて脅したりもする。窃盗団は、パーカーのフードをかぶり、目指し帽やバンダナをつけている。いや、まったく恐ろしいし、ふてぶてしいことしきり。
高いバイクは精神衛生上よくないかもね
盗まれるバイクはふたつのパターンがある。
ひとつは私の場合のようにセキュリティががばがばなバイクだ。もうひとつは高価なバイクが目をつけられたときである。前者はやんちゃな高校生がもっていく可能性が高く、後者はプロの窃盗団が行うことが多い。
そもそもセキュリティのガバガバなバイクは、たいしてバイクに思い入れがないことが多いし、被害額も大したことがない。(私は思い入れはあるけど、うっかりが多いだけだ)
悲惨なのは後者だろう。厳重に管理していたのに、100万円以上のバイクが跡形もなく消える。高校生が乗り回した場合は乗り捨てられて戻ってくる確率も高いが、窃盗団の犯行はまず足がつかない。
高級バイクには盗難のリスクが常につきまとう。
ブッダも似たようなことを言っているが、所有するとは執着することである。それは失うことを恐れることでもある。
窃盗団にとって魅力のない安いバイクだけ乗る方が、精神衛生上良いのかもしれない。
あるいは、バイクが盗まれても平気でいられるほど大金持ちになるか、保険をかけておくかだ。