反文明主義的な性格を持つ私だが、バイクは好きである。
ただ、「最新のバイク」にはどうも興味が湧かない。
たとえば、ヤマハのYZF-R1Mだって、カワサキのH2だって、たぶん十年後にはなんだか古臭いものに成り果てるだろう。
「ああ、そんなものあったね」
最先端、最速――そういったものを求めるバイクはすぐに追い抜かれて古臭くなってしまう。ちょっと前のパソコンのように。
しかし、バイクはバイクである。
エンジンと二個のタイヤがバイクである
バイクとは、エンジンがあって、タイヤが二個ついている。これがバイクである。スクーターだろうと、メガスポーツだろうと、基本は変わらない。60年前のバイクだろうと、現代のバイクだろうと、基本は変わらない。
メーカーはもちろん、「付加価値」をつける。水冷ですよ。バルブが二個から四個になったんですよ。ブレーキをがつんとかけても滑らないんですよ。クラッチなしでもシフトチェンジできますよ。
しかし、バイクの基本の原型は変わらない。エンジンがあって、タイヤ二つで走る。
終のバイク
そうなると――と考えてしまう。もはや、どのような最新モデルが登場しても、関係ないのではないか? 私は、自分が求めるバイクを買い、終生それに乗り続ければよいのではないか?
そういったことを考えるようになってきた。
心から言うが、いま乗っているTW225は終生乗りたいバイクである。文字通り私の足となっているからである。保存用にもう一台欲しいくらいだ。
ただ、TW225だけでは物足りない。長距離ツーリングではあきらかに不利である。TWが不利な状況はロングツーリングだ。300kmくらいのツーリングでは軽くこなせる。しかし、楽しいかというとそうではない。エンジンはぶっ壊れそうな音がするし、手のしびれがひどい。
BMWが欲しい、と思う
BMWのバイクが欲しいと思って探している。
私がほしいと思うのは、F800GS。
私は、この道具的なデザインと、北海道から九州まで――どこまで走っても疲れなさそうな(あくまで印象だが)そういう性格が好きである。
BMWのなかでは、パラツインだし、チェーンだし、あまり好感が持たれないバイクかもしれない。もちろん、お金持ちはぽんとR1200GSを買ってしまう。しかし、あれはどう見てもオーバースペックだと思う。大陸横断するバイクだ。
F800GSの重量は204kg。R1200GSの重量は244kg。重心の高いアドヴェンチャーで、この差は大きい、と思う。重たいバイクなんて乗る気がおきねーよ。ほんと。
F800Sも悪くない
同じエンジン(だと思う)を採用した、F800Sも気になるところである。
もはや10年近く前のバイクだが、その独特でソリッドなデザインは古臭さを感じさせない。そしてF800GSと同じく、そっけない道具感が出ているのも私好みである。
「そっけない道具的デザイン」は、耐久性のあるデザインである。合理性で満たされているからだ。きらびやかなデザインは当座ではもてはやされても、寿命は短い。
現在ヤフオクだと30~40万円くらいだから、決して高くはない。そもそもF800GSでオフロードを走ろうとは思わないので、廉価なF800Sで良いのではないかと思う。
国産車は選ばないのか?
なぜBMWが良いのか。
私はBMWを所有したことがないからわからないが、BMWは長く乗るバイクという気がしているからである。それは、部品がいつまでも出るとか、エンジンの耐久性とか、エンジンノイズの不快感を抑える、シートの快適性を高めるといった細やかな配慮から感じ取れる。
もちろん日本車でもこれらの配慮は感じる。しかし、日本車の態度は「このバイクを3年乗って、新しいバイクを買ってください」という姿勢が見える。これは商業的には正しい。ただ、私はそういうバイクは欲しくない。BMWは「このバイクが気に入ったなら、何十年でも乗ってください」という姿勢が見える(買いかぶりすぎかもしれないが)。
国産車でも魅力的なバイクはある。スズキのバイクは乗ったことはないが、なかなか好みだ。V-Strom 650とか、SV650あたりは好きだ。GSR250も玄人好みだと思う(Vスト250よりも)。
ヤマハのトレーサーはあまり好きではない。ちょっとデザインが過激すぎる。フレームもぐねぐねしている。
だけどやっぱりSSも好き
なにげに、ホンダのSC59が好きである。
いままでの発言と違うじゃないか、と思われるかもしれない。
だが、私はSC59のモダンで、コンパクトで、シンプルで、ある意味「道具的」なデザインにかなり惚れている。もちろんこれはスーパースポーツであるので、道具的には使えない。バーハン化して、リアキャリアをつけなければ私の目的には敵わない。でも、所有しておきたいバイクのひとつであることは確か。
まとめ
いずれにせよ、次のバイクがほしいな~と思っている。
次のバイクを買ったら、10年は乗りたいものである。
TWを乗っているのが、たぶん6年位になるかな。これくらい好きになって、長く乗れるバイクを見つけたいと思う。