TW225で日本一周

放浪癖のあるおっさんのTW225日誌

新型モンキー125とZ125を乗り比べてみる

知人が125ccのバイクが欲しいというので、レンタルバイクで乗り比べることにした。

 

知人が欲しいのは、「バイク・スタントにつかえて、仕事の短距離走行に使えるもの」ということだった。

 

短時間しか乗らないのであれば、50ccでもいいわけだが、あまりにも道交法がクソな点と、選択肢がない点、エンジンとブレーキのプアさでスタントがしづらいだろうという点で、125ccくらいが良いとなった。

 

スタントといえば、DUKE125、Z125、グロムが定番だが、知人はグロムのデザインには興味がないみたいで、もともとモンキーにも乗っていたので、モンキーがいいだろうとなった。

 

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ぼく「乗り味の違いは?」

バイク屋の店員「たいして変わんないっすよ」

モンキーの高級感あるデザイン

どちらも倒立フォークで、ビジネスバイクゆずりの四速横置きエンジン。

 

ぱっと見て大きな違いは、モンキーがレトロなツインサスなのに対してZはモノサス、モンキーが一人乗り専用なのに対してZが二人乗り、あとはモンキーのタイヤがかなり幅広であることだ。

 

全体的なデザインの違いは、Zがプラスチッキーなのに対して、モンキーは金属感があり、高級感とリッチさを出している。

 

Zは、アルミフレーム風のカバーが特徴的だが、結局はプラスチックなのはかわりがない。角度によって鉄パイプフレームが覗くのが悲しい。

 

モンキーは車体の貧弱さが極太のアップマフラーでごまかされている? かわからないが、先代モンキーにあったみっちり感、レトロな金属感をうまく再現している。スイングアームはいまさら丸パイプだが、これもレトロ感があってよい。

 

細部を見ても、後発のモンキーの方がはるかに豪華である。どちらも液晶メーターだが、キーオン時のギミックや、LEDライトなど装備している。ZはテールライトはLEDだが、ヘッドライトはハロゲンの「肌色」であり、先進的なデザインの割にかなりしょぼい。もっとも、3000円も出せばLED化できる部分ではある。

モンキーの方がはるかにフレンドリー

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ぱっと乗り比べてすぐわかったところは、シート形状の違いだ。Zの方は、かなり窮屈である。モンキーはフラットなシートのため、かなり後ろに引くポジションができる。

 

これはZが二人乗りに配慮したこと、スポーティーなデザインにしたかったのだろうけど、乗りはじめの強烈な違和感は拭えない。

 

そして、シート形状はモンキーの方が幅広く、ふかふかしている。Zは絞っており、形状はともかく、材質としてはポジション移動しやすい、スポーティーな感じ。脚付きはZの方がいい。

 

ハンドルは、モンキーの方が高く、幅広い。正直いって、ポジションはモンキーの圧勝! 私は中肉中背だが、かなり高身長でも乗れると思う。

 

おそらく、Zがアジア圏を狙っているのに対し、モンキーは欧米向けにも考慮している違いだろう。

ガサツなZのエンジン、シルキーなモンキーのエンジン

これはレンタルバイクとして酷使された影響かもしれないが、Z(走行15000km)のエンジンは高回転で振動がひどく、手足がしびれてしょうがなかった。ただ、エンジン自体の振動というよりは、フレームかどっかが歪んでると思う……。カウルとれかけてたしね。

 

モンキーは、走行1000kmくらいのコンディション。アクセルをあけると、単気筒とはおもえないスムーズさで加速していく。これは楽しい。そして、すごい。グロムゆずりのエンジンだが、これはすげえ。

 

ふたつのエンジン特性について詳しくはないが、エンジンがよく回るのはZだった。コーナー手前でシフトダウンをすると、モンキーは回転数があがりすぎてギクシャクする。Zは一般的なバイクと同じように、割と攻めた走りができると思う。

 

「速さ」はたいして変わらない。どちらも80km/h程度で頭打ち。体感的には、振動のせいでZの方が速い……。あとはタイヤサイズもあるだろう。Z125はふらふらする。モンキーの太いタイヤはかなり安定感がある。その分、同じ速度でも走ってる感に乏しく、エンジン出力に不満が出るかもしれない。

 

サスペンションは、見た目通り、モノサスのZの方がスポーツ寄り。モンキーはツインサスらしいふかふかしっとり。私はモンキーの方が好きだった。疲れないし、コーナーでもよく粘っていたと思う。そもそも限界値が低い125ccなので、かっちりしたサスはいらないだろう。どちらも倒立フォークだが、正直正立フォークでも変わんないだろ、というふわふわ感。

スタントは?

これは、どちらも変わらない。ミニバイクではじめてウィリーしてみたけど、すんごく……やりやすい。車重とホイールベース、脚付きのせいだろう。怖くないし、ぽんぽんフロントがあがるので、ウィリー入門には非常にいい。

でもサスがよく動くので、モンキーの方がやりやすかったような? あとはモンキーの方がクラッチが軽い。シートの自由度もモンキーの方が高く、その意味でもやりやすかった。

ともあれ、車重はZ125の方が軽く、扱いやすかったので、どちらでもいいと思う。

でも、コケてベコベコになった新型モンキーはどうかなあ、と思うので、初心者の練習用には中古のZの方がいいと思う……。

総評 モンキーは次世代のバイクだ!

正直言って、モンキーは見た目だけのルック車だと思っていたが、走らせてみると非常にバランスがよく、フレンドリーで乗りやすいのだった。このモンキーであればロングツーリングも楽勝だと思う。 

Z125は、長距離は嫌。でも攻撃的な見た目や、短距離走行なら十分だと思う。

ともあれ、後発のモンキーの方が熟成されているのは仕方がないだろう。Z125は「1世代前」感が強かった。 たぶん価格差もあるのだろう。

知人はモンキーに非常に惹かれていた。私が買うとしても、もちろんモンキーだ。

 

しかし、私はちょっと大きめのミニバイク、TW225をすでに所有しているので、125ccの増車など考えることはないのであった……。