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放浪癖のあるおっさんのTW225日誌

2stエンジンはなぜオイルを燃やすのか

簡単にして難しい――なぜ2サイクルエンジンはオイルを燃やすのか、という問題。

 

4サイクルエンジンはオイルは循環式である。

ポンプでエンジン内部に行き渡らせる。

 

しかし、2サイクルはオイルは燃焼式である。

混合気と一緒に燃焼させる。

 

2サイクルエンジンは白煙が出るけれど、それはオイルが燃えてるから。

 

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オイルを燃やさない2サイクル

があっても良さそうだが

 

それは不可能なのである……。

2サイクルでは混合気がクランクケースを巡る

エンジンは圧縮→爆発の繰り返しによって動力を得る。

 

その過程では、爆発した空気を排出し、新鮮な空気と燃料の混合気を取り込むというプロセスも必要である。

 

2サイクルの場合は、圧縮+爆発→吸気+排気のシンプルな過程。

一方4サイクルは、爆発→排気→吸気→圧縮の4工程。

 

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2サイクルはパワフルで瞬発力に優れる。またエンジン構造がシンプルで軽量コンパクト(特に全高)、メンテナンス性に優れる。

 

4サイクルはより完全な排気ができるので未燃焼ガスが生じにくく、燃費がよくクリーンであることがわかる。

 

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2サイクルでは混合気がクランクケースへ。

4サイクルでは混合気がシリンダーヘッドへ向かう。

 

ピストンがバルブの役割を持つ

なぜ2サイクルはオイルを燃やさなければいけないかというと、第一にインテークとエグゾーストがシリンダーのにあるから。

 

2サイクルの吸気は種類があるが、もっともシンプルなのはピストン制御式吸気弁。

 

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これを見てわかるとおり、ピストンが吸気・排気のバルブの役割を持っている。

 

4ストエンジンに比べると非常に単純な形だ。

 

2サイクルは腰上OH(ピストンやピストンリングの交換)のメンテが頻繁に存在するが、ピストンに与えられた仕事が多いからと言える。

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現代で主流なのはリードバルブ式。吸気がクランクケースに繋がり、そこに負圧で開く弁が存在する。

ピストンの位置に関わらず、ケース内が負圧でありさえすれば混合気を吸い込める。……ピストンバルブ式に比べて、ポートの断面積も大きく取れるし、吸気通路の長さも短く出来る。シリンダに吸気ポートがなくなる分、掃気ポートの断面積・レイアウトの適正化も図れる。(引用元) 

まとめ エンジン構造上燃やす必要がある

オイルパンを持つ4サイクルエンジンのクランクケースと違い、2サイクルエンジンはクランクそれ自体が混合気を燃焼室に運び、圧縮する役割を持つ。

 

2サイクルエンジンはシリンダーヘッドだけではなく、エンジン全体で吸気や圧縮をするのだ。

 

オイルを4サイクルのようにポンプや噴射式で循環すれば、オイルが吸気排気の動きを阻害してしまう。

 

そのため、2サイクルはオイルと燃料を混ぜて燃やす必要があるのである……。あー賢くなった。