人間をもっとも殺しているバイクはスーパースポーツです。
これ、意外でもなんでもないですね。
最高に速く走れるバイクは、最高に死にやすいという、あまりにも自然な結果です。
SSはアメリカンタイプの四倍以上死ぬ
バイク乗りの1万人あたり死亡率。unclad=ネイキッドのこと。この表にはオフロード車は含まれてません。
1万人SS乗りがいれば、22人は死ぬことになります。アメリカンやスタンダードバイク(CB1100やR nineTのようなタイプ)は5人。実に四倍以上の差があります。
SSは事故時の損害額も多い
で、事故が起きたときの損害額もSSは飛び抜けています。
車種タイプ毎の相対的な全体的損失額
(100 = all-motorcycle result = $124)
ハイスピードの事故が多く、衝撃が大きいから?
パーツやカウルが高いから?
たぶん両方の原因でしょう。ちなみに引用元によれば、交通事故の損害額がもっとも高いのはZX-10Rみたいです(ただ、10年ほど前のデータです)。
盗難リスクも高い
SSは盗難リスクも高い。
車種タイプ毎の相対的な全体的損失額
(100 = all-motorcycle result = $33)
ハーレーの盗難が多いイメージがありましたが、考えてみれば重くてしょうがないハーレーより、軽くてコンパクトなSSの方が盗みやすい?
SSの購入はリスキーである
というわけで、SSは買ったあとでも命や修理代、盗難といったリスクが付きまとうよ、という記事でした。
言っておきますが、私はスーパースポーツが大好きです。ほんとうにかっこいいと思うし、レッドバロンでS1000RRなんかに跨ると興奮してキャッキャと騒いでしまいます。
ただ、私が言いたいのは、「SSは万人向けではない」ということです。
新型CBR250RRに試乗したとき、10分ばかりの試乗でしたが、そこで思ったことは、「このバイクを購入して乗り続けたとしたら私は死ぬだろう」ということでした。
心配性すぎる、と言うかもしれません。でもこれは、バイクの怖さを知っているベテランライダーだから感じることのできる恐怖感です。私が20歳のときにCBR250RRに試乗していたら、ローンを組んで衝動買いしていたかもしれません。そして死んでいたかもしれません。
SSは危険です。
当たり前の事実です。注意して乗るとか、自制心をもっている、ということはあまり関係ない。
SSはサーキットでのスピードを限りなく追求したバイクです。それ以外については、あまり有用に作られていません。荷物は乗らないし、ポジションはきつい。高回転型エンジンでは低速で走っても、あまり楽しくはないでしょう。
公道でSSを走らせていれば、一気にアクセルを回したくなります。そして公道で速度を追求すれば、必然的に死が待っています。
SSは死に近いバイクです。
もちろん、それを承知で買うのはOKです。というか、個人の自由ですから。でも、バイク店員の口車とか、見栄やステータス、「なんとなくかっこいいから」でSSを買うのであれば、待ったをかけたいです。
というわけで、死んでほしい旦那さんにはSSを与えましょう……。でも、盗まれたり物損事故で、家計を圧迫してしまうかも?